スピリチュアル自動日記

スピリチュアル.悟り.瞑想.についてメッセージを発信します

君は亡霊の世界に住んでいる

手には五本の指があります。
その指たちの一員である薬指ちゃんは
いつも悩んでいました。


「私は中指さんよりも短くて恥ずかしい
それから、親指君よりも力がないわ」と


いつも悩んでいてブルーでした。
他の指たちもそれぞれ悩みを抱えています。


親指くんはスタイルの悪さを
人差し指くんは、自分ばかりが働いている
と、いつも不満顔です。
中指さんは、長すぎる身長が嫌なようです。
小指ちゃんに至っては、もう自暴自棄です。


何やらとても賑やかでちょっと
微笑ましいですね。


でも本人達にとっては深刻な問題で
小指ちゃんは、すでに引き籠り気味です。

 

ここで視点を変えてみます。
通常どおりに
頭からこの五本の指を見たら
どうなるでしょうか?


薬指が中指より短いから不快だとか
小指が親指より力がないのは納得できない
とか思うでしょうか?


まず、そんな事は思いません。


頭は、五本の指を見ても
妙なジャッジは決してしません。
あるがままを見ます。


頭にとっては、違いがあったとしても
それぞれが大切な指たちなのです。
というか
違いという概念すら持ちません。
「ただ、それ」なのです。


達観した頭ですが
大切な指たちが、ひどく悩んだり
自暴自棄になったりしているのを知り
その原因の調査を始めました。


そして辿り着いた原因は何だと思いますか?


実は、指たちはある時から亡霊に
操られていたのです。
その亡霊の名前は「ジガ」というものでした。


「ジガ」は、ほんらい指たちに奉仕する
小さな妖精でした。
指たちの身体を守るために
健気にはたらいていました。
しかし、ある時から力を付け巨大化して
本体を乗っ取ってしまったのです。


原因が分かった頭は、
指たちに呼びかけてみました。
「実は、君たちは亡霊に操られているのだよ」と


しかし、ここで困ったことが起こります。
この声は、指たち本来の繊細な意識には
届かず、亡霊「ジガ」たちに届くのです。
本来の指たちの意識は眠ってしまって
いるようです。
そして、その「ジガ」たちも、もはや
自分は指だとすっかり思い込んでしまって
いるため話が通じないのです。


「ジガ」達は言います。
「僕たちは確かに指だ、なのに亡霊だというのか?」
「僕たちが苦しみの原因だって?」
「僕たちが消滅したら本当の指が現われるって、意味不明」
「僕たちが死んだら、たとえその後、幸せになっても意味ないだろ!」


もう大変な勢いで怒り出す「ジガ」もいれば
頭の言うことをまったくスルーする
「ジガ」もいます。


いろいろとやっているうちに
中には、頭の言う事に興味を持つ「ジガ」
も出てきたために
頭は重点的にその「ジガ」を説得します。


頭は最初「ジガ」達に食べ物をたべない
ように提案し「ジガ」の意識を薄くし
ほんらいの指の意識が浮かび上がるのを
待ったりしました。
ちなみに「ジガ」たちの食糧は
「ユウエツ」や「ユウグウ」です。
また、逆に食糧を飽和的に与え「ジガ」
の欲を消そうとしたりしました。
そして、「ジガ」が小さな妖精だった頃を
思い出すようにも指導をしました。


何万年もの間、頭は色々と試しました。


そして、ごく稀にですが
「私はもはやいない」と言い出す「ジガ」
「私は無だ」と言う「ジガ」
常に沈黙の「ジガ」なんかが現われました。


その「ジガ」は、カクシャとかブッダとか
言われ、他の「ジガ」にもいろいろと
教えていたようです。


現在でも大多数の指は亡霊「ジガ」に
乗っ取られたままです。
「ジガ」は大増殖し、街では
「ジガ」同士が賑やかに交流しています。
もちろん苦しみもそのままか
むしろ増しているようです。


ただ、変化も起きています。
「ジガ」達も数が増え、世代が進み
成熟が進んでいるのかもしれません。
特別なカクシャやブッダでなく
普通の亡霊「ジガ」達の中にも頭の声に
興味を持つものが現れ始めています。


頭は、何千年何万年と絶え間なく呼びかけています。


興味を持つ「ジガ」たちの中でその声は
「キズキ」とか「シンガ」とか
いろいろな名前で呼ばれています。
頭自体のことを「カミ」と呼ぶ「ジガ」
たちもいるようです。


はてさて、これから先
頭と指と亡霊「ジガ」たちの物語は
どのように続いていくのでしょうか。