私たちは通常
水平次元の価値感覚で動いています
それはマインドの担当分野です
その時、私たちが欲しいものは
他者からの高い評価と特別感です
これが無いと虚しいと感じ
評価が低いと孤独と苦しみを感じます
そして、マインドや自我は
それらを感じないように
高評価を獲得できるようにと
役に立つ人、一緒にいて楽しい人
外見的にも社会的にも性的にも
魅力的な人になろうとします
しかし
人が求めるベクトルは
マインドが求める水平方向の
高評価や特別感といったものだけでは
ありません
人にはもう一つの求めてやまない
ベクトルがあります
人は
誰からも見られていなくても
知られていなくても
たった一人であったとしても
無意味で役に立たないものでも
それをすると
無性に楽しくなる事が大好きです
そして、それを求めています
それはマインドの水平方向の目線では
無評価、無比較のゼロの点ですが
その点から垂直に伸びるベクトルです
ただこれは
子供の頃には否定され易いので
全員がこの垂直軸を感じる感覚を
発達させている訳ではありませんし
寧ろ何となく近寄ってはいけないものと
捉えている人もいるかと思います
子供時代は
好きな事に夢中になっていると
「落書きばかりしていないで
勉強しなさい」とか
「虫の世話ばかりしてないで
家の手伝いもしなさい」とか
言われて否定されたりもします
このベクトルを追求した人の究極が
日本では南方熊楠かも知れません
しかし、孤独や苦しさを打ち消すために
南方熊楠のように好きな事に打ち込み
それを昇華させましょうという訳では
ありません
誰からも見られていなくても
知られていなくても
それをすると単純に楽しいことには
明確な成果などは必要ないのです
逆に、好きな事が上手になり
それが他人の評価を獲得しだすと
その匂いに釣られて
あなたのマインドがやって来て
彼の餌場になってしまいます
これだと、マインドが
もっと欲しいもっと欲しいと
評価と優越を急かし、いつの間にか
「昔は楽しかったけど今は寧ろ
ストレスを感じるんだよねー」と
いった具合にもなりかねません
単純に楽しい事は
お風呂に入りながら歌を歌うことでも
自室でダンスを踊ることでも
動植物と触れ合うことでも
畑仕事でも良いのです
肝心なのは
その時の「楽しい体験」に
意識をフォーカスするのではなく
それを体験している「自分」の方に
フォーカスをすることです
それを体験している自分が
どんな状態であるかを
よく観察しそれを覚えておくのです
その時、そこには
マインドの食糧は無いので
あなたのマインド以外の何かが
それを喜び、楽しんでいます
そしてそれは、あまりにも自然なので
通常は殊更それに注目するということは
しませんが、敢えて
そこにフォーカスをすると
その時のあなたの状態は
ノーマインドで透明でゼロであると
判るはずです
瞑想を使って
ノーマインドを達成するのは
至難の業ですが、あなたはこの時
それを自然に達成しています
それがあなたの本体なのです
誰からも見られていなくても
知られていなくても
たった一人であっても
すると楽しい事柄というものが
思い当たらない人もいるかと思いますが
今は無くとも
以前はあったかも知れませんし
今後、意識すれば必ず現れます
通常の生活では
高評価を食糧とし、低評価を嫌う
マインドや自我が、私たちの
９０％を占めていますので
それを自分だと思っています
もちろんSNSなどは
このマインドの仕組みを
上手く利用している訳です
しかし、本当のあなたは
評価という食糧を必要としないもの
ノーマインドで透明でゼロなものです
この本当のあなたに気付き
好きな事をしていない時にも
その本当のあなたを
思い出せるようになれば
孤独や苦しみは
蜃気楼のようなものに変わっていきます
そして
それは難しいことではありません
なぜなら、この本当のあなたは
あなたにとってとても心地良いもの
であるからです
